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僕の彩芽
第8章 八
体から血の気が引いていく。生きている心地がしない。
「俺から離れようとするなって言ったよな?」
「言いましたけど……」
「思い知らさねーと分からないか?首輪に鎖付けて繋がれないと分からないのか?ポチ」
「い、嫌です……それだけは……」
鎖に繋がれた生活なんて、監禁じゃん……。もう人としての生活じゃないじゃん……。
「俺から離れるな。良い子だから」
秋人さんが私の額へ口づけを落とすと、私は頷くしかなかった。窓のカーテンの隙間からは、薄暗い部屋に少しの朝陽が射し込む。
「寝よう……」
「……」
「疲れた……ねみぃ……」
ダメだこりゃ。秋人さん殆ど寝てる。ダメだこりゃ……。
「ポチ、おやすみ……」
私の横へドサッと倒れ込んで、秋人さんが目を閉じる。その光景にまだ緊張しながら、片手に封筒を持ちつつ私はお先真っ暗になっていた。