この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の彩芽
第9章 九
「俺が洗ってやる」
「良いです!マジ勘弁して下さい!それぐらい自分でさせて下さい!」
「仕方ねーな……じゃあ、自分で洗え」
「はいっ!」
浴槽から出ようと秋人さんが立ち上がると、慌てながら急いで浴槽から出た。
「……」
こうなったらマッハで洗う!秋人さんに体見られない様にマッハで!
「よっしゃぁぁぁ!」
シャワーの前に立ちながら、髪にシャンプーを付けて泡立て器の様に両手で泡立てた。舞い散る泡。浴室を浮遊するシャボン玉。
「終わったぁぁぁ!次は体!」
シャワーで髪の泡を流し、後は体を洗うだけ。シャンプーしただけで凄く疲れた……。
「ポチ、何をそんなに急いでる」
「別に急いでませんけど……?」
ボディソープをスポンジで泡立て、首から下へ擦り付ける。あっという間に羊の様なもこもこ姿になり、シャワーで泡を流した。そのまま私はシャワーを止め、秋人さんへ背中を向ける。
「では、お先に!」
早く体を拭いて着替えよう。
「つまらねぇな……」
浴室から出て行きながら、後ろからする不機嫌な声に気付いてはいなかった。