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僕の彩芽
第9章 九

「えっ……」

 何だこれ……秋人さん、どうしたんだろう。というか……何か太腿に当たってますぅぅぅ!

「ポチ……」

「あああ秋人さん、太腿に、何かが……」

「勃起した」

「ぼっ?!」

 秋人さんは私の頭へ頬擦りしながら、落ち着きつつ言った。私の太腿には、熱くて硬い感触。それが何だと分かって、大量の汗が出てきた。

「ポチ、舐めてくれるか?」

「無理です!」

「研修の時、してくれただろ」

「あれはボクサーパンツの上からだったじゃないですか!それに秋人さん、寝てたでしょ!」

「もう寝ない……多分」

 多分って何だ!多分って!

「ポチ……舐めなくて良い。俺はこうしてるだけで十分だ」

「秋人さん、どうしちゃったんですか……」

 まるで親バカの様に私の体を抱き締め、頭へ頬擦りし続ける秋人さんに、私は顔を青ざめる。コーヒー牛乳の瓶は足元に転がったまま。

「変な薬飲んだんですか?」

「飲むわけない」

「彼女にふられたんですか?」

「彼女なんていない」

 じゃあ一体何で……こんなにくっつくの!豪にでも見られたら、ヤバい!




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