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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第3章 初めての夜ば…もとい、「お誕生日」の贈り物

「…夜這いって、難しいわね。これを最初で最後にするわ。」
寝台に向かって運ばれながら、サクナの首に抱きついた姫は、ふうっと溜息を吐きました。
「別に、最後にしねぇでも良いぞ?…それか、今度は俺が夜這うか。」
ぼやいている姫の髪に口づけて、サクナはにやっと笑いました。
「考えてみりゃ、今しか出来ねぇ事だしな。」
「どうして?」
寝台に姫を下ろした婚約者は、姫の鼻先に口づけました。
「毎日一緒に同じ寝室で寝るようになったら、夜這いもクソも無ぇだろ。」
「…うんっ。」
はにかみながら微笑んだ姫は、恋人に向かって両手を一杯に伸ばし自分の方に引寄せて、ぎゅうっと強く抱き締めました。
こうしてスグリ姫は、恋人と迎える初めての誕生日の贈り物を、誰からよりも一番早く、受け取ることができました。
そして、初めての夜這いの目的も、残らず全て、充分叶えられたのでありました。

