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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第3章 初めての夜ば…もとい、「お誕生日」の贈り物
「…それとも、似合ってない? 」
「いや、すげえ似合ってる。」
姫が少し膨れて見せると、サクナは頬に口づけました。

「…俺が言うのも変だが、一式全部お前に合わせて誂えたみてえに、良く似合うぞ。」
「ほんと?それってもしかして、指輪や足環や首飾りの方が、私を選んでくれたのかもね…?」
姫の言葉を聞いたサクナは、嬉しそうに装飾品に触っている姫の髪を掬って口づけました。

「そんなに気に入ったなら、嵌めててくれ。…王様やお后様には、何か言われそうだけどな。」
「平気よ、お母様は皆が居る時はお話なさらないもの。お父様は…泣くかも?レンブはすごく感激して、ハンダマが妬くわね。」
スグリ姫はその様子を想像して、くすくす笑いました。
「…素敵な贈り物を、ありがとう。」
恋人たちは口づけ合って、ぎゅっと抱きしめ合いました。

「朝早いだろうから、もう戻るか?部屋まで送る。」
サクナは、抱きしめた腕を名残惜しく緩めて、姫の顔を見ました。
すると何故だか、姫はまた膨れっ面をしておりました。
「…どうした。」
「…夜這いの第三段階、まだ残ってる…」
「は?」

自分のおでこをサクナにこつんと合わせた姫は、膨れたままで言いました。
「一回だけ、仲良くしたいの。」
「仲良く?」
聞き返されたスグリ姫は恥ずかしくなり、自分の顔が見えないように、サクナの耳元で囁きました。

「…したいの。…だめ?」
「…ダメじゃねぇが…」
姫のおねだりを聞いたサクナは、首飾りの石と同じくらい真っ赤になっている鎖骨の辺りに口づけながら言いました。

「…一回だけか?」
「一回だけよ!……これ、外して?」
首飾りを外して貰おうと髪を掻き上げてうなじを曝すと、サクナは首飾りの留め具を外し、留め具の乗っていた白い首筋に、ちゅっと軽く口づけました。
それから姫の足を取り、足にも小さく口づけたあと足環を外し、首飾りと一緒に丸いテーブルに置くと、膝に乗っている姫を抱き上げました。
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