この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第4章 スグリ姫の「お誕生日」

バンシルが部屋から出て行くと、恋人達はくすっと笑って抱き締め合いました。
サクナは姫の髪に顔を埋めて、花の香りを嗅ぎました。
「いい匂いだな」
「バンシルからの毎年約束の贈り物なの、お花。」
「お前の匂いと合わさると、クラクラするな」
「くらくら?」
「…バンシルに怒られるような事がしたくなる」
サクナは髪を崩さないように気をつけて、姫の頭に頬擦りしました。
「…だめだからね」
「分かってるって」
夜にな、と言って髪に口づけられたので、姫はふふっと笑いました。
「淋しいのか?」
「え」
「泣いてただろ」
そう言われた姫は少し考えて、それから答えを返しました。
「うん。生まれてすぐからずっと一緒に居たんだもの。バンシルと離れたら、すっごく淋しくなると思う」
「そうだよな…」
「でも、サクナと離れたら、淋しいのとは違ったの」
抱き締め合っている腕を緩めてサクナの顔を見て、姫は続けました。
「辛いの。居ない時もずっと考えてるの、ずっとよ。他の人みたいに、思い出して淋しくなるんじゃなくて、ずっと居るのよ…でも、居ないの」
いつものように恋人に抱き付いて顔を擦り付けようとした姫は、バンシルにお化粧のことを言われたのを思い出したのか、おでこをこつんと付けました。
「だから、どこかに行っちゃうなら、私もそこに行く。そうしないと、自分がばらばらになっちゃう」
その言葉が終わるか終わらないかの内に、抱き締める手に力が籠もり、髪を撫でていた手が頬に滑って、目を潤ませている姫の顔を仰向けました。
「私、サクナが居なかった時、毎日、どうしてたのかしら…」
姫がぽつりと呟いた言葉を互いの中に仕舞い込むように、二人は柔らかい口づけを交わしました。
サクナは姫の髪に顔を埋めて、花の香りを嗅ぎました。
「いい匂いだな」
「バンシルからの毎年約束の贈り物なの、お花。」
「お前の匂いと合わさると、クラクラするな」
「くらくら?」
「…バンシルに怒られるような事がしたくなる」
サクナは髪を崩さないように気をつけて、姫の頭に頬擦りしました。
「…だめだからね」
「分かってるって」
夜にな、と言って髪に口づけられたので、姫はふふっと笑いました。
「淋しいのか?」
「え」
「泣いてただろ」
そう言われた姫は少し考えて、それから答えを返しました。
「うん。生まれてすぐからずっと一緒に居たんだもの。バンシルと離れたら、すっごく淋しくなると思う」
「そうだよな…」
「でも、サクナと離れたら、淋しいのとは違ったの」
抱き締め合っている腕を緩めてサクナの顔を見て、姫は続けました。
「辛いの。居ない時もずっと考えてるの、ずっとよ。他の人みたいに、思い出して淋しくなるんじゃなくて、ずっと居るのよ…でも、居ないの」
いつものように恋人に抱き付いて顔を擦り付けようとした姫は、バンシルにお化粧のことを言われたのを思い出したのか、おでこをこつんと付けました。
「だから、どこかに行っちゃうなら、私もそこに行く。そうしないと、自分がばらばらになっちゃう」
その言葉が終わるか終わらないかの内に、抱き締める手に力が籠もり、髪を撫でていた手が頬に滑って、目を潤ませている姫の顔を仰向けました。
「私、サクナが居なかった時、毎日、どうしてたのかしら…」
姫がぽつりと呟いた言葉を互いの中に仕舞い込むように、二人は柔らかい口づけを交わしました。

