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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第4章 スグリ姫の「お誕生日」
「お父様、なんにも気付かれなかったわ」
「あら。さすが王様ですね。」
スグリ姫が報告すると、バンシルは王に対してさりげなく失礼なことを言いました。

「『スグリ、27歳の誕生日おめでとう。また昼餐で改めて祝うが、祝いの言葉だけ先に贈らせておくれ』って、仰ってくださって、それだけ。」
「お后様は?」
「お母様はこっちを見て、『おめでとう。後で色々聞かせて頂戴ね』って、にやっと笑っていらしたわ。」
スグリ姫は、右手の指輪を左手で撫でながら、内心ほっとしていました。
両親に装飾品の事を聞かれたら、サクナからの誕生日の贈り物だと説明しようと思ってはいました。
けれど、朝っぱらから、一人っきりで、后が自由に話す場で説明をするより、時間が経ってから、サクナも居る場で、后は話さずレンブが乗って来そうな場で説明する方が、和やかに済みそうだと思ってもいたのです。

「王様…今頃お后様に、何か言われてんじゃねぇのか?」
女二人の会話を聞いたサクナは、王に対して、気まずさと気恥ずかしさが混じった、申し訳ない気持ちになりました。
自分の贈り物を身に着けたスグリ姫が嬉しそうなのは嬉しいのですが、姫が嬉しそうであればあるほど、父親である王様は嬉しく無いでしょう。
その上、娘の変化をお后様に指摘されたら、落ち込むだろう事は目に見えています。
同じ男として、サクナは王に同情しました。

「そうね。お母様からお聞きになって、お昼は何か仰るかもね?」
スグリ姫はそう言って婚約者の手を取って、きゅっと握って、くすくす笑いました。

「お母様がお話されるようになって、お父様はお母様のお尻に敷かれてらっしゃるんだなーって気付いたわ。」
「そういうところは、母娘そっくりですね。」
「え、私?私、普段はサクナをお尻に敷いてなんか無いわよ?」
「あーそうですか、そうですね。」
敷いてる自覚が無くても相手が自分から敷かれに行っていれば端から見たら同じなのに、とバンシルは思いました。
どちらも相手が好き好んで振り回されていると言う点は、母娘は良く似ておりました。
似たようなお相手を捕まえたのでしょう。

「では、私は一旦失礼します。姫様が着崩れたりお化粧が落ちるような事は、控えて頂けると助かります。」

「しないわよ!」
「努力する。」
噛み合わない答えを返した二人を残して、バンシルは姫の部屋を後にしました。
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