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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第5章 くすくす姫の誕生日

「私も、見たかったわ」
「え?」
姫は長椅子から立ち上がり、イチジクの瓶詰めと、一緒に仕舞ってある皿と銀器を取り出しました。
「こういうの、作ってるとこ」
「『果物王子』は、二度とやらねえ」
スグリ姫は、長椅子の前の象嵌模様のある角テーブルに瓶詰めと皿と銀器を置きながら、今だったら王子じゃなくて王様ね、と小さく笑いました。
「…お前にだけは、そのうち見せてやる」
「うん、楽しみに待ってる。これ、今日でおしまいになっちゃうわね」
瓶の中には、イチジクがひとつだけ残っておりまおした。
「贈り物と、お誕生日と…サクナが居ない間は、全然減らなかったのに」
姫はイチジクを取り出してナイフで半分に切り、美しい色と形を眺めました。
「一緒に居ると、良い事ばっかりなんだもの…」
姫が残念と幸せの入り混じった溜息を吐くと、サクナが半分に切られたイチジクを刺したフォークを取り上げました。
「また作ってやるから、味が落ちないうちに食っちまえ。ほら、口開けろ。」
姫が口を開くと、サクナはそこにイチジクを滑り込ませ、そのまま唇を塞ぎました。
「…んんっ…」
柔らかい果物は舌と舌が絡まる間に押し潰されて、肉感的な刺激を残して、唾液と共に飲み込まれました。
「ん…とろとろになっちゃった…」
スグリ姫は、はぁっと息を吐くと、残ったイチジクをフォークに刺して、サクナの方を見ました。
「…たべて?」
「ああ」
サクナは姫の手首を掴んでイチジクを口に入れると、姫の手からフォークを取り上げて、テーブルの上にかちんと落としました。
それと同時に姫の唇に齧り付き、そのまま姫を抱き上げて運ぶと、寝台の上に下ろしました。
寝台の上に横たわった姫を組み敷いたまま、深い口づけは何度も続けられました。
朝結って時間が経っていた姫の髪は、寝台に擦り付けられ、撫でられ、掻き混ぜられるうちにすっかり緩んで、髪を彩っていた花々が、シーツの上に散りました。
「初夜の寝床みてぇだな」
「え?」
口づけを解いて姫の髪を梳くように撫でながら、サクナは姫に言いました。
「婚礼の日の寝床に、花を撒いとく習慣が有んだよ」
「…そうなの?素敵…!」
「しまった。言わないどいて驚かせりゃ良かったか?」
うっかりしたな、とサクナに鼻先に口づけられて、姫は首をすくめて笑いました。
「え?」
姫は長椅子から立ち上がり、イチジクの瓶詰めと、一緒に仕舞ってある皿と銀器を取り出しました。
「こういうの、作ってるとこ」
「『果物王子』は、二度とやらねえ」
スグリ姫は、長椅子の前の象嵌模様のある角テーブルに瓶詰めと皿と銀器を置きながら、今だったら王子じゃなくて王様ね、と小さく笑いました。
「…お前にだけは、そのうち見せてやる」
「うん、楽しみに待ってる。これ、今日でおしまいになっちゃうわね」
瓶の中には、イチジクがひとつだけ残っておりまおした。
「贈り物と、お誕生日と…サクナが居ない間は、全然減らなかったのに」
姫はイチジクを取り出してナイフで半分に切り、美しい色と形を眺めました。
「一緒に居ると、良い事ばっかりなんだもの…」
姫が残念と幸せの入り混じった溜息を吐くと、サクナが半分に切られたイチジクを刺したフォークを取り上げました。
「また作ってやるから、味が落ちないうちに食っちまえ。ほら、口開けろ。」
姫が口を開くと、サクナはそこにイチジクを滑り込ませ、そのまま唇を塞ぎました。
「…んんっ…」
柔らかい果物は舌と舌が絡まる間に押し潰されて、肉感的な刺激を残して、唾液と共に飲み込まれました。
「ん…とろとろになっちゃった…」
スグリ姫は、はぁっと息を吐くと、残ったイチジクをフォークに刺して、サクナの方を見ました。
「…たべて?」
「ああ」
サクナは姫の手首を掴んでイチジクを口に入れると、姫の手からフォークを取り上げて、テーブルの上にかちんと落としました。
それと同時に姫の唇に齧り付き、そのまま姫を抱き上げて運ぶと、寝台の上に下ろしました。
寝台の上に横たわった姫を組み敷いたまま、深い口づけは何度も続けられました。
朝結って時間が経っていた姫の髪は、寝台に擦り付けられ、撫でられ、掻き混ぜられるうちにすっかり緩んで、髪を彩っていた花々が、シーツの上に散りました。
「初夜の寝床みてぇだな」
「え?」
口づけを解いて姫の髪を梳くように撫でながら、サクナは姫に言いました。
「婚礼の日の寝床に、花を撒いとく習慣が有んだよ」
「…そうなの?素敵…!」
「しまった。言わないどいて驚かせりゃ良かったか?」
うっかりしたな、とサクナに鼻先に口づけられて、姫は首をすくめて笑いました。

