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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第5章 くすくす姫の誕生日

「こら、暴れんな。…お互い良くて良かったな、」
そう言うと、寝台の上に下ろされてシーツをぎゅっと握り締め、涙目で見上げている姫の髪に、ちゅっと口づけて抱き寄せました。
「またヤろうな、ごっこ遊び。」
それを聞いた姫は赤くなってぷうっと膨れて俯いてしまい、何も答えませんでした。
サクナは、答えないという事は、姫も「ごっこ遊び」がお気に召さなかった訳では無いようだ、とこっそり頭の中に書き込みました。
「ま、実際は、『ごっこ』って訳でも無ぇんだけどな」
「え?」
「王様も仰ってたろ。俺はお前を寝取った様なもんだ」
「そんな、」
サクナは姫を抱き寄せたまま一緒に寝台に横になり、姫が寒くないように、二人を上掛けで包みました。
「王様に怒ってくれた上に、そんな奴と婚約したと言われるお前には悪いが、俺はそう言われても別に構わねえ。今ならもしも誰かがお前の横に居たら、どんな手を使ってもお前を手に入れる。あん時一回逃げ出そうとしたのは、知らなかったからだ。知ったら仕舞いだ」
そう言うと姫のおでこにおでこを着けて、眉を顰めながら笑いました。
「お前と同じで、今じゃ、お前に会う前の自分がどんなだったか、俺ももう思い出せねぇんだよ」
スグリ姫はじっとサクナの言葉を聞いていましたが、包まっているシーツの中から両手を出して、サクナの頬に触れました。
「…私も、知らなかったの。ずっと、誰でも同じだって思ってたわ。お見合いで見初めてくれる人がいたら、誰でも良いって。でも、そうじゃなかった」
姫はすこし背伸びするようにして、愛しい人の唇に、ちゅっと口づけました。
「サクナが触ってくれるまで、触られたいのは一人だけだって、知らなかったの。私も、今もし誰と居たとしても、サクナに会ったらサクナのとこに行っちゃうわ。きっと、我慢できないわ」
「スグリ…」
「…でもっ。今日は、もうだめっ。」
スグリ姫はサクナからの口づけが深くなる前に、力が入らないなりに、力一杯サクナを押し戻しました。
そう言うと、寝台の上に下ろされてシーツをぎゅっと握り締め、涙目で見上げている姫の髪に、ちゅっと口づけて抱き寄せました。
「またヤろうな、ごっこ遊び。」
それを聞いた姫は赤くなってぷうっと膨れて俯いてしまい、何も答えませんでした。
サクナは、答えないという事は、姫も「ごっこ遊び」がお気に召さなかった訳では無いようだ、とこっそり頭の中に書き込みました。
「ま、実際は、『ごっこ』って訳でも無ぇんだけどな」
「え?」
「王様も仰ってたろ。俺はお前を寝取った様なもんだ」
「そんな、」
サクナは姫を抱き寄せたまま一緒に寝台に横になり、姫が寒くないように、二人を上掛けで包みました。
「王様に怒ってくれた上に、そんな奴と婚約したと言われるお前には悪いが、俺はそう言われても別に構わねえ。今ならもしも誰かがお前の横に居たら、どんな手を使ってもお前を手に入れる。あん時一回逃げ出そうとしたのは、知らなかったからだ。知ったら仕舞いだ」
そう言うと姫のおでこにおでこを着けて、眉を顰めながら笑いました。
「お前と同じで、今じゃ、お前に会う前の自分がどんなだったか、俺ももう思い出せねぇんだよ」
スグリ姫はじっとサクナの言葉を聞いていましたが、包まっているシーツの中から両手を出して、サクナの頬に触れました。
「…私も、知らなかったの。ずっと、誰でも同じだって思ってたわ。お見合いで見初めてくれる人がいたら、誰でも良いって。でも、そうじゃなかった」
姫はすこし背伸びするようにして、愛しい人の唇に、ちゅっと口づけました。
「サクナが触ってくれるまで、触られたいのは一人だけだって、知らなかったの。私も、今もし誰と居たとしても、サクナに会ったらサクナのとこに行っちゃうわ。きっと、我慢できないわ」
「スグリ…」
「…でもっ。今日は、もうだめっ。」
スグリ姫はサクナからの口づけが深くなる前に、力が入らないなりに、力一杯サクナを押し戻しました。

