この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第5章 くすくす姫の誕生日

「…大丈夫か?」
二人はしばらく息を荒げたまま滅茶苦茶に抱き締め合っていましたが、お互いが少し落ち着いてきたところで口づけを交わして、ゆるく抱き合い直しました。
「…だい、じょぶ…じゃ、なぃ…」
「…そうか」
掠れた声をやっと出した様子の姫の髪に口づけて姫の胸元を見たサクナは、そのまま髪に顔を埋めてぼやきました。
「あー…言われた意味が、やっと分かった…」
「…え…?」
姫が聞くとサクナは姫のくたんとなった右手を取って手のひらに口づけ、指輪を引っ張って外しました。
「貰った時に、言われたんだよ。『これは金だから錆びないし、嵌めてあるのは全部水に強い石だ』…ここまでは別に普通だろ」
「ん…」
「その後が、『酷く汚したら、水で洗っても大丈夫だぞ』だ」
「ひど、くっ!?」
サクナの言葉に驚いて指輪を見た姫は、それが微妙に白っぽくなっていることにかぁっと赤くなり、自分の体を恐る恐る確認しました。
すると、首飾りにはねばねばした物が付いて半分乾きかけており、足環はどろどろした何かに塗れて、揺すっても鳴らないほどになりかけておりました。
「…ひ、どくっ…よごれ…てる、ねっ…」
ごめんなさい、と姫が小さい声で言うと、サクナは、いいや、と首を振り、まだくったりして体に力が入らない姫の首飾りをはずしてやりました。
「お前は全然悪く無ぇだろ。って言うか、」
サクナは潰れた花と撒き散らされ擦り付けられた体液と垂れて染みになった汗の跡とでぐちゃぐちゃになった寝台の上を見ながら、はーっ、と息をつきました。
「…すっっげえ良かった…」
「ふぇええっ?」
サクナはだるそうに起き上がり、とりあえず予備のシーツを二枚探してきて、一枚でふにゃふにゃになった姫を包み、シーツごと抱き上げて長椅子に座らせました。
「もっっのすげぇ感じてたな、お前…」
「うっ…」
座らせられて足に口づけられ、足環を外された姫は、長椅子の上できゅうっと丸くなりました。サクナはそんな姫の頭を一撫でしてから寝台のぐちゃぐちゃのシーツを丸めて床に放り投げ、新しいシーツを敷きながら、史上最エロ、と口の中だけで呟きました。
「結局、何回イッたんだ?」
「ばかっ!!そんなのっ、しらないっ!!!」
軽口を叩いたサクナが、シーツだけは綺麗になった寝台に姫を移そうと抱き上げると、姫は腕の中でじたばた暴れました。

