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SNSの甘美な罠
第7章 再会
当日に手土産を持ち寄り、妻が案内した先は隣家であった。ここは男にとって覚えている事が一つある。
引っ越しの挨拶に訪れた際に出て来て対応したのは、家主の男性だった筈だ。確か、そう、夏休みで奥方は子供達を連れて里帰りで羽根を伸ばしている、そう言っていたのを覚えている。
それからついぞ今まで、男は隣家の奥方に会った事はなかった。
男の緊張を余所に、妻がインターフォンを鳴らし、やり取りをする。
少し賑やかな声が玄関を挟んで聞こえ、ガチャリと音を立てて開いた扉からは、明るい笑顔で子供達が迎えてくれた。妻は慣れた様に子供達と挨拶を交わしていると、少し遅れて家主の男性が奥から現れる。
奥方が食卓の準備をしていると告げた後、先立って歩いて居間へ続く扉を開けた。
男は最後に足を踏み入れた。