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第2章 従順な女

　そこから季節はまた進み、一巡する過程の中、女は積極的に猥褻な写真を撮影しては男に送ってくるまでに従順であった。
　送ってくる写真の中には男がリクエストした内容であったり、的確に男の趣味を射抜いた物も数多くありはしたがやり取りを繰り返す程に女に感じていた新鮮さや興味が次第に薄れていくのを、男はボンヤリ感じていた。
　その頃から、男の興味は別の女性、別のSNSへとシフトしていく。
　しかし、自身の中で性欲が高まれば、女にアポを強引に取り付けて性欲を発散させて再びやり取りが疎遠になる。男の中で、正に『都合の良い女』に位置付けていた。

　一ヶ月、二ヶ月…あれほど密にしていた連絡が徐々に疎かになり完全に途絶えた頃、一度女から“会いたい”と連絡が入る。
　その頃の男には、遠方に住む女に会いに行かずとも近場でもう一押しで付き合えそうな雰囲気の女性がおり、女の連絡には特に何も返さないままでいた。