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SNSの甘美な罠
第3章 覗く女

季節は再度一巡し、男は彼女とデートを楽しんでいた。今日は二人にとって交際して一年目と言う節目の日であった。
頻繁に訪れるカラオケボックスへと入り、次第に盛り上がっていく個室内。
デンモクの操作を終えて顔を上げた男は磨り硝子の入った扉に目を向けた。その行動に意味は無かった。
影があった。身体こそ室内に向けてはいないが、顔だけはこちらを見ている。磨り硝子でその表情は見えないが灰色のロングカーディガン、濃い色のGパン、髪の隙間から覗く顔の肌色がこちらを見ているのだ。僅かな時間、立ち止まっていた影はスッと前に進み、扉の前から姿を消した。
その様子を目で追っていると彼女が歌う曲が終わり、暫くの間を置いて自身が入れた曲のイントロが流れ出した。
きっと部屋が判らなくなった人なのだろう、と思い直して男はマイクを握った。
頻繁に訪れるカラオケボックスへと入り、次第に盛り上がっていく個室内。
デンモクの操作を終えて顔を上げた男は磨り硝子の入った扉に目を向けた。その行動に意味は無かった。
影があった。身体こそ室内に向けてはいないが、顔だけはこちらを見ている。磨り硝子でその表情は見えないが灰色のロングカーディガン、濃い色のGパン、髪の隙間から覗く顔の肌色がこちらを見ているのだ。僅かな時間、立ち止まっていた影はスッと前に進み、扉の前から姿を消した。
その様子を目で追っていると彼女が歌う曲が終わり、暫くの間を置いて自身が入れた曲のイントロが流れ出した。
きっと部屋が判らなくなった人なのだろう、と思い直して男はマイクを握った。

