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イかせ屋…
第2章 取り立て



開き直るしかない状況は理解をする。


「曽我さん。」

「なんだ?」

「さっきも言いましたが私は無職です。」

「だから?」

「支払いは出来ません。」

「支払う方法があれば払うのか?」

「そりゃ、払いますよ。」


連帯保証人の法的責任くらいは私でもわかってる。


「例えばだ。AVに出演をする。」


曽我さんが淡々と言う。


「そういうのはお断りします。」


間髪を入れずに返事をすると曽我さんがクスクスと笑う。


「話は最後まで聞け。AVと言っても出すのは股間と声だけだ。しかも本番は一切無し。ただ、男の手で愛撫されてイかされる。その瞬間を撮影するだけで50万がお前に支払われるとしたら?」


顔は出ない。

あくまでも陰部だけで50万。

男の人には触られるだけ…。

美味しい話には必ず裏があると思いましょう…。


「そうやって私を騙して最後は犯されて売り物にされるって事ですか?」

「騙したりはしない。」

「それに、残念ですけれど、私は不感症なのでイク瞬間の撮影なんか無理ですよ。」

「不感症?気に入った。事実なら撮影に100万を出してもいいぞ。」


100万…。


「でも、その後はどうするんです?」

「ネット配信で販売をする。」

「それって違法ですよね?」

「いや、本人の同意があれば違法にはならない。だから、男に触られるのが嫌なら女でも構わないし、オナニーでも構わない。」


おいおい…、なんでもありですか?


「その配信で稼いだ資金の90%をうちが回収をする。」

「それって、どのくらいの金額になります?」

「本人次第だ。最低な奴で300万…、良い奴なら1000万を稼ぐ。」


マジですか!?

でも…

信用は出来ない。


「信用が出来ないから怖いか?」

「当たり前です。」


曽我さんがようやく甘い香りを漂わせるタバコを灰皿で揉み消した。



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