この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イかせ屋…
第3章 AV
「出掛ける。」
玄関で曽我さんが怖い人達にそう言うとすぐに車の用意がされる。
またベンツ…。
昨日は紫のシャツを着てた趣味の悪い男の人が今日は豹柄という更に趣味の悪いシャツを着てベンツの運転をする。
「清、撮影だ。」
「はい。」
趣味の悪い人は清というらしい。
スカジャンの男はヒロと言われてた。
「曽我さん…。」
「昌だ。」
ちょっとドキドキとかしちゃう。
「昌さん…。」
「怖いか?梓…。」
「いいえ、撮影はどの位の時間ですか?」
「1時間が目安だ。」
曽我さんがシガリロに火を点ける。
車の中に甘い香りが漂う。
少し心が落ち着いて来る香り…。
大丈夫よ。
曽我さんを信じるって決めたでしょ?
気付けば、高級な事で有名なホテルへ着いた。
「こんな場所で!?」
「そうだ。」
曽我さんが私の肩を抱き慣れたようにスタスタとロビーを抜けてエレベーターに乗り込む。
最上階まで上がる。
廊下を抜けると曽我さんがカードキーを出して部屋の扉を開ける。
スィートルーム!?
かなり広いリビングにキングサイズのダブルベッド。
そこには2人ほど知らない男の人が居る。
そりゃ、そうだ…。
撮影をするって曽我さんが言ってた。
つまり、カメラマンとか居て、他の人にも私の股間を見せる事になるんだ…。
今更だけど撮影を承諾した事を一気に後悔する。
「出て行け。」
曽我さんが少し怖い顔で男の人達に言う。
「ですが…。」
「俺の言葉が聞こえなかったか?」
「いいえ、機材は揃ってます。失礼をします。」
この段階で曽我さんってかなり恐れられてる存在なんだと理解をした。
「おいで…、梓…。」
私にはとても優しい。
それは私が2千万を稼ぐ為の商品だから?
自分の考えに悲しくなって来る。