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イかせ屋…
第4章 ルール
車の中で昌さんと打ち合わせをする。
「梓には悪いが、ずっと岡部と暮らしてたが1ヶ月ほど前に俺と付き合う事になったから岡部に部屋から出て行けと別れ話をしたと言うんだ。」
それって、私が男性に二股をかけてた女を演じるって事ですね?
「岡部については事実を話せ。働かないヒモみたいな男だったと。」
なるほど…。
「そして別れ話が拗れた。岡部は一応、部屋から出て行ったが部屋の鍵はまだ岡部が持ってて、岡部に必ず復讐をしてやると脅しを受けたとでも言えばいい。」
その復讐があの荒らされた部屋…。
「そこまでする必要がありますか?」
「借金取りが探してるのはあくまでも岡部だ。岡部を犯人にすれば警察が岡部を探してくれる。岡部が捕まれば一石二鳥だ。」
悪戯っ子の顔で微笑む昌さん…。
意外と悪魔です。
だけど怖いとは感じません。
一緒に笑ってしまいました。
「コラッ…、怖がってる女が笑うな。」
「だって、警察に雄君を探させるとか、なんだかズルいですよ。」
「ズルくねぇよ?梓を騙して傷つけた男だから、その程度の報いは受けるべきだ。」
そう言ってまた私を優しく抱きしめる。
本当にこの人が恋人だったら幸せ過ぎて死んじゃうとか思っちゃう。
警察署では昌さんの言う通りに話が進む。
雄君は住所不定の人間として警察が探す事になった。
貴重品が返されて警察署を出る頃にはかなり夜遅い時間になってしまった。
「腹減ったな。」
昌さんの言葉に私もお腹が空いてる事を思い出す。
朝ご飯はしっかりと食べたけれど、お昼は食べ損ねたからだ。
「ラーメンは好きか?」
「はい…。」
「食いに行こう。」
そう言われてベンツで昌さんの好きなラーメン屋さんへと向かう。