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イかせ屋…
第4章 ルール
昌さんの説明だと、ミュージシャンや歌手になるには凄くお金がかかるらしい。
音楽の専門学校に行ったり、ボイスレッスンを受けたり、ダンスのレッスンを受けたり…。
その費用を支援する為にプロダクションがタレントに裏でお金を貸す。
その借金を雄君がしたらしい。
だけど雄君は全くレッスンなんか受けずにレッスンを受けるという名目で借金を繰り返してはパチンコに注ぎ込んでた。
「つまり、雄君は芸能プロダクションという所に一応は所属をしてたのですか?」
「厳密に言えば契約だけはしていた。プロダクションからすれば彼は顔がいいからモデルくらいには使えると思ってた。だが、その仕事にすら来ない日があり、プロダクションとしては契約の解除をして借金を回収するという結論を出した。」
それが2ヵ月前…。
溜まりに溜まった借金を1枚の借用書に束ねた。
芸能プロダクションが雄君に貸した分はそれだけだけど、雄君は他からも借金をしてる。
4年も一緒に居て、何も知らなかった男。
たった2日しか居ないのに出来るだけ真実を私に教えようとしてくれる昌さん…。
「なら、昌さんはその芸能プロダクションの人?」
「いや、芸能プロダクションの方は兄貴が社長をやってる。俺の本業はイかせ屋だから…。」
「その…、イかせ屋って…?」
そう聞いた時には食事を終えた昌さんが席を立つ。
「そろそろ、帰ろう。遅くなる。」
昌さんに手を引かれて車に乗り、再び昌さんの家に帰る事になる。
ヤクザだけどヤクザじゃない。
取り立て屋はアルバイトみたいなものだと昌さんが笑う。
本業はイかせ屋…。
女性を性的快楽に導くという仕事…。
何故、そんな仕事が存在をするの?
彼への好奇心は尽きないままだった。