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イかせ屋…
第6章 伝統
「梓に必要なら、梓を本気で愛してやる。」
怖いくらいに真剣な顔をする昌さん…。
「愛して…?」
「そう、梓にはそれが必要だから…。」
バスローブが着せられて昌さんが私の身体を軽々と抱き上げる。
「昌さん!?」
「立てないだろ?風呂に行こう。」
長い廊下をお姫様抱っこで私を抱える昌さんが歩く。
「ヒロ!」
昌さんが呼ぶ。
どこからともなくヒロ君が現れる。
「はい…。」
「風呂に梓と俺の着替えを持って来い。」
「はい…。」
嘘!?
私の着替えって…。
昨日、昌さんが買ってくれたもの。
ヒロ君が用意とかするの?
頭が混乱する中でお風呂の脱衣場に到着する。
「今朝は一緒に入るぞ。」
昌さんが私のベビードールを脱がせて来る。
「えっ!?ちょっと…!?」
口がキスで塞がれる。
「本気で愛してやると言っただろ?」
あっという間に全裸にされて昌さんも着物を脱ぐ。
初めて見る昌さんの身体だった。
凄い…。
圧倒されてしまうほど筋肉質で引き締まった綺麗な肉体美が目に入る。
まるでアスリートのような身体…。
だけどそれ以上に目を引くのは…。
「これ…!?」
「刺青…、見た事がないか?」
昌さんが微笑む。
昌さんの背中の真ん中から龍がギョロりとした目で私を睨んでる。
白と黒だけという水墨画の世界が昌さんの背中一面に描かれてる。
「今まで誰にも見せた事がない。梓にだけは見せてやる。」
そう言った全裸の昌さんが全裸の私を抱きしめる。
これが昌さんの本気なんだと身体中で伝えて来る。
つまらないヤキモチを妬いてた自分に恥ずかしくなる。
「ごめんなさい。」
「何が?」
「少しでも昌さんを疑ったから。」
クスクスと昌さんが笑う。
「信用をしろよ…。」
耳元で囁く声…。
昌さんを信じようと再び決心を固めた。