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イかせ屋…
第2章 取り立て



……。

はぁ!?

クローゼットを確認する。

雄君の愛用するリュックとボストンバッグが無くなってる。

えーっと…。

私が捨てるつもりが捨てられた?

ふつふつと何かが身体の中から湧き上がる。

ふざけるな!

なんなのよ?

失業をした女にはもう用はないって事!?

思い当たる節は山ほどある。

私は雄君に対して物は買い与えるけれどお金は渡さなかった。

なのに時々パチンコに行くお金を雄君は持ってた。

あの顔だから他の女が居てもおかしくはない。

だからって…。

呆れ過ぎて涙も出ない。

まぁ、いいや。

これで新しい自分になれる。

疲れた…。

シャワーを浴びてスウェットに着替えてベッドに潜る。

雄君の為にと買った漫画とタバコはゴミ箱に捨てる。

バイバイ…、雄君。

せいせいしたよ。

明日からの私に万歳をしたいわ。

スッキリとした気分で眠った。




スッキリとした気分で眠った以上はスッキリとした気分で目覚めたい。

ピンポン…

我が家のインターホンが鳴る。

無視だ、無視…。

ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン…

対応をしないと一生鳴り続ける気がする。

カメラなんかのセキュリティは一切ない安物のマンション。

ですが、4年の間に染み付いた習性とは恐ろしいもので、雄君がまだ部屋に居るという感覚で不容易に部屋の扉を開けてしまう。


「はい?」


ガンッ…

部屋の扉が足で押さえられる。

茶髪にスカジャンという姿のチャラい男…。

趣味の悪い紫のYシャツを着たサングラスの男…。

その真ん中には高級そうなスーツを着た厳つい顔の男が居る。

やばそうな方々?

なんとなく怯えたくなりました。



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