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イかせ屋…
第8章 決別



それからしばらくの日々を昌さんにまんこを弄られ続けた努力の結果、私は潮を吹くというスキルを無事に獲得した。


「明日、撮影をする。」


昌さんが切ない顔で私に言う。

その夜は陰部のお手入れを昌さんに念入りにされる。


「聞いてもいいですか?」

「なんだ?」

「何故、イかせ屋には本番がないの?」

「本番をしたらそれはただの売春だ。」


昌さんがクスクスと笑う。


「昌さんはしたいと思わないの?」


昌さんが私の顔を撫でて来る。


「お客とはしたいと思わない。むしろ、冷静に対応をする癖がついてるから萎えて立たない。」


確かにそれはそうかもしれない。

私と全裸で居る時でも勃起をしてる昌さんを見た事がない。

うぅっ…!

私って萎える女なんだ…。

ちょっと凹んでしまう。


「梓…。」


キスをしてくれる。


「はい?」

「無事に借金が終わったら梓はどうするつもりだ?」


そんな質問をされるとは思ってもみなかった。


「無職だからハローワークに行きます。」

「そうか…。」


昌さんが私を優しく抱きしめる。

お互い全裸で抱き合ってるのに今夜は何も無し。


「梓を愛してる。だから、明日は本気で感じてもらう。」

「はい…、昌さんを愛してます。だから、私が壊れるくらいに感じさせて下さい。」


普通なら愛の告白。

イチャラブモードに入ってもおかしくないシチュエーション…。

それも明日の為の演出…。

イかせ屋としての演出…。

明日で全てが終わる。

昌さんともお別れ。

明日の私は昌さんに全て見て貰って、昌さんとさよならをする。

雄君の時は平気だった決別なのに昌さんだと涙が出そうになる。

今夜は昌さんの甘い香りにしがみつくようにして眠った。



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