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イかせ屋…
第8章 決別
今朝はスッキリとした気分で目が覚める。
「おはよう…。」
昌さんが優しくキスをしてくれる。
まるでラブラブ中の恋人…。
それも今日で終わり。
お風呂に入り綺麗にする。
昌さんから渡されたオイルをパイパンでツルツルの陰部に塗り付ける。
艶やかで綺麗なまんこを演出する。
完璧!
気合いを入れる。
その後は朝食…。
いつものダイニング…。
「今月も金利で飛ばすのか?」
いつもの昊さんの嫌味…。
それも今日で終わる。
「今日、ちゃんと済ませます。」
私の強気の答えに昊さんが驚いた顔をする。
「梓ちゃん…、出て行っちゃうの?」
とぼけたように昇君が聞いて来る。
「いつまでも居候を出来ないのが社会人なの。」
昇君にも大人の対応が出来る。
大丈夫…、私はやれる!
やたらと気合いが入り過ぎて朝食の片付けの時にお皿を1枚割っちゃった。
「後はやりますから…。」
怖い顔のお兄さん達が苦笑いをする。
もう、この家に完全に慣れた私。
「ごめんなさい!後はお願いします!」
素直に頭を下げて後片付けをお兄さん達に頼んだ。
怖い顔のお兄さん達は今がお祭りシーズンだからと交代で日本国中に散らばってるらしい。
お兄さん達はお祭りに出る屋台で働くテキ屋と呼ばれる職人さん。
「祭りに来たらタコ焼きを奢ってやる。」
そんな約束をしてくれる優しいお兄さん達ばかりだから、別れが少し辛いと思う。
「そろそろ行くぞ。」
今日は着物を着た昌さんが私を連れて曽我家を出る。
清さんの運転…。
無口な清さんとは話をした事がない。
その代わりヒロ君がやたらと話かけて来る。
「昌さんにこれ以上は迷惑をかけんなよ。」
「ヒロ君に言われなくても大丈夫です!」
こんな口喧嘩も最後だと思うと寂しくなる。