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イかせ屋…
第8章 決別
植草君の電話を切って部屋を見渡す。
「何やってんのよ?私ったら…。」
自分に呆れて笑っちゃう。
世界一、不幸な女みたいにウジウジとしてるなんて私じゃないわ。
洗濯をして掃除をする。
植草君との約束の時間の前にハローワークにも行き直そう。
新しい自分になるのだから、雄君も昌さんも忘れちゃえ。
そうやってケジメを付け始めるといつものサバサバな感覚が蘇る。
お風呂に入れば股間に、しょぼしょぼと茂みが生えてるのを発見する。
もう、ここのお手入れも要らないんだ。
そんなくだらない事に笑う。
大丈夫…、私は笑える。
大丈夫…、だから前に進める。
久しぶりにサバサバとした気分で眠った。
翌朝はスッキリとして起きる。
朝食をしっかりと食べる。
よしっ!順調、順調!
よく考えたら雄君が居ないのだから久しぶりの一人暮らしを満喫してるのにダラダラと過ごすなんて馬鹿みたいだとか思う。
スーパーで買い物をして冷蔵庫を満たす。
雄君が居た時は出来なかった事…。
あればあるだけ食べたり飲んだりして部屋を散らかす人だったから必要最低限のギリギリしか買い物をしない癖がついてる。
曽我家にいる時は買い物すら考えなかった。
今は1人…。
好きなように買い物も出来る。
しばらくは自分の為に生きなくっちゃ。
その為には再就職は重要な課題である。
だから昼からハローワークに行く。
「失業保険は停止しますね。」
昌さんのところでバイトをしてたという扱いだから失業保険は失った。
だけど新しい就職先を探さない訳にはいかない。
担当者の嫌味を聞きながらとりあえず就職先探しの新たな再登録を済ませる。
ハローワークを無視して短期のアルバイトをしてたという私に担当者は本当に就職をする気があるのかとしつこいくらいに嫌味を繰り返す。