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イかせ屋…
第9章 再会
心のどこかで昌さんに甘えてしまう。
それだけ彼が優しい人だから…。
だから嫌われようとしてるのに、昌さんの手が私の顔に触れて来る。
「梓…、イかせ屋の仕事を見る勇気はあるか?」
切ない顔で昌さんが言う。
イかせ屋の仕事って見学とか出来ちゃうのですか!?
ちょっと…、いや、かなり驚愕します。
「ただし、条件がある。」
「条件?」
「絶対に目は逸らすな。」
「何…、それ…?」
「それが出来ないなら、2度とこんな事はするな。」
なんかカチンと来た。
見るだけでしょ?
舐めてんの?
私はAVで2千万を作った女だよ?
「本当に見せてくれるの?」
「今夜のお客は見られるのが好きな人だからな。」
昌さんが切ない顔をする。
見られるのが好きな変態女をイかせるイかせ屋の仕事っぷりって奴をしっかりと見てやるわよ。
それで昌さんの事も諦めがつく。
リアルにイかせ屋が見えれば、きっとこんな男を私は嫌いになれるはず。
「おいで…。」
いつものように私の肩を抱き、エスコートをするように私をエレベーターに乗せる。
腹が立ってるはずなのに今から自分が昌さんとこのホテルで愛し合うような錯覚をしちゃう。
そのくらい優しいエスコート。
そして彼からはいつもの甘い香りがする。
「梓…。絶対に目は逸らすな。見て、理解をしてあげてくれ。」
昌さんが優しく私を抱きしめる。
理解をしてあげる?
誰を?
昌さんを?
風俗をやってる男なんか普通に理解が出来る訳がないわよ!
怒りが収まらないままエレベーターが目的の階へと到着する。
昌さんに誘われるように目的の部屋へと向かった。