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禁断背徳の鎖外伝ー享受の恩恵
第3章 享受2ー祖父が残したもの‥‥



(‥‥今‥‥のは!?)


冷静になれと頭の中で警笛が鳴っているよう、考えては駄目だと‥‥考えてしまえば、私は止まれなくなるのでは無いかと。


そして分かってしまう‥‥
美紀様があの表情を見せるのは本来会長ただ1人だという事に、更に美紀様のあの表情を引き出したのは‥‥会長‥‥


絶対に見せない姿を、私が無意識にさせてしまった事にかなりの罪悪感はある‥
それと共に沸き起こる焦燥感とでも言うのだろうか?何処かにある焦りの感情、だがそれを見せてはいけない、私にこんな感情があるのだと美紀様は知らなくていい。



「‥‥‥少しは落ち着きましたか?」


「落ち着いた‥‥とは思う‥‥」


「もう少し落ち着きたいでしょう‥
私は車の外に居ますので、ゆっくりと落ち着かせて下さい」


「えっ、遠藤さん!?」


離したくない思いを何時もの強固な意思で抑えて美紀様を離し、私は車から降りドアを閉めてから深い溜め息‥
あのままでは私が治まらず、こうして外に出て頭を冷す必要があった‥‥勿論身体もだが。



(スーツなのが唯一の救いですね)


この姿だからこそ欲情に刈られた私を見られずに済んだ、後は頭を冷やしつつ自然に治まるのを待つしかない‥
こんな時、男は便利なもので治まりが付けば、何とか体裁だけは保つ事が出来るというもの。


ただし心の整理までは付かないが・・・


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