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禁断背徳の鎖外伝ー享受の恩恵
第3章 享受2ー祖父が残したもの‥‥



「人間なのです、過去に何かあって当たり前なのです、そんな事で人を推し量るほど私は度量は狭くありません‥
と、言ってはいますが、私もまだまだですね」


「‥‥くすっ‥‥
遠藤さんは、はっきり言ってくれる‥
紀永は諭す方で、こんなにはっきり言ってくれる人なんて居ない‥‥本当だったら、はっきり言ってくれる方が懲りるのに‥
遠藤さんはね、私にはっきり言ってくれる数少ない人なの、友人も親友も少ない私には大切な人だって思ってる、だから辛い思いはして欲しくない」


「そうですね、会長は諭す方だと私も思います、それが会長の性格なのでしょう‥
そして私は大丈夫です、"私が私"と言っている内は大丈夫、ですから心配しないで下さい」


「???」


私が私??
遠藤さんに他に何があるというの?
私には分からない事??



「美紀様は気にしないで下さい、私の心の問題ですので‥
後、過去は過去と割り切るように、私もそう努力してみますから」


「‥‥うん‥‥」


外なのに、遠藤さんはもう一度私にキスをする‥
貪る‥‥では無く、触れるだけの優しいキス、守るような柔らかいキス‥‥


そして遠藤さんの"私が私"の意味を知るのは、もう少しだけ後の話になる‥
私が知らなかった、本当の遠藤さんを知るのは・・・


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