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禁断背徳の鎖外伝ー享受の恩恵
第3章 享受2ー祖父が残したもの‥‥



それからまた何本かのカセットテープを聞いて、気が付いた事が1つ‥
前会長の言葉には、必ず紀永の名前が入っている、そして今の紀永を考えて見れば、相手に対し名前を入れる事が多いと思う。



「これって確信的だよね?
わざわざ相手の名を呼んで、相手を威嚇牽制する‥
私が見たのは‥‥彼奴の時‥‥」


『・・・
どうするかね、吉田春夫教頭』


「そしてクロエ・アンダーソンの時‥‥」


『・・・
それでもまだ言うか?
クロエ・アンダーソン』


確かに紀永は此処一番という時に、相手の名前を呼び選択を迫る‥
名前を呼ばれるというのは、呼ばれた当人には物凄いプレッシャーが掛かり、時には焦りさえ引き出す。


それを会長紀永がやればインパクト十分、経営学というより心理学に近いけど、交渉や選択には絶大な威力を発揮すると私は思うよ。



「前会長とのこのカセットテープの前と後が分からないけど、これが当たりかなぁ?
後話す間隔が少し間が開くのも‥
心理学もやらないと駄目みたい」


男女の差があれど、今の私ではこんな事は出来ないし、相手を手玉に取るんだったら最低限の心理学も必要‥
だってね通っているこの数々の案件って、強引なのが多すぎるのよ、それを押し通したという事は、かなり強引で否定出来ない状況を作ったという事。


まだまだカセットテープはあるから、じっくり聞いて見るけど、流石に今日はもう無理かも‥
デスクに頭を付ければ、途端にやって来る眠気‥‥うーん敵わないよ・・・


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