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禁断背徳の鎖外伝ー享受の恩恵
第5章 享受4-またもやニアミス



紀永達は行ったがリュカは浮かない顔、遠藤と会った時点で逃がしてやれば良かったものを、俺とした事がしくじったと来た。



「大丈夫かリュカ?」


「‥‥大丈夫よ‥‥
ただ少し驚いただけ‥‥」


確かに俺も驚いたさ、まさか遠藤をも伴って紀永も嬢ちゃんも来ていたんだ、驚かない訳が無いだろう?


しかも揃って正装姿‥‥特に嬢ちゃんだな、そしてリュカには辛い現実‥
遠藤は嬢ちゃんの婚約者候補、それも最有力と言われ嬢ちゃんとも普通に話す。


もう少し考えれば良かった・・



「・・場所‥‥変えるか?」


「・・・・・
いいえ、気にしても遠い人だもの‥
伊織も朔夜あなたも、私から見れば遠い人、それで良いの」


「・・リュカ・・」


かなり傷付けたなこれは、後で何か埋め合わせをしないと、あまりにもリュカが可哀想‥
そういう方向性は苦手なんだが、少しは考えてやらんといかん。



(とは思ってもな)


確定的な言葉は口にしてやれない‥
そして俺がリュカの人生を狂わせる訳にもいかん、その範囲内で出来る事はそう多く無いのは分かっている。



「とにかく食事だ」


「そうね」


リュカを連れ立ちエレベーターへ‥
もう暫く俺が付き合ってやらんと駄目だろうな・・・


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