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流されカノジョ
第3章 ワンナイトふろむ3B
カランコロンとドアについたベルが鳴る。
マスターがいらっしゃいと声をかければ彩はカウンターに腰をかけてため息をついた。
「シャンディガフで」
とりあえずお酒を飲んで、今日の反省をして明日から頑張ろう切り替え大事。と思いながらマスターがサッと作ってくれたお酒を飲む。
石山に「告白されて付き合うことにした、これからはその子を大事にしたいんだ。」と言われて、彩は笑顔で別れた。
しかし相性のいい男が離れるのは毎度のことだが慣れておらず調子が戻るまでほんの2、3日ポンコツを発揮していた。
炭酸がきついジンジャーエールで割ったビールが喉を抜ける。
飲み過ぎて怒られるのは避けるためにも量を考えていた時、マスターがカウンター越しに声をかけた。
「彩ちゃん、新人入ったんだ挨拶してもいいかい?」
常連ってほど通いつめてはいないが、ここのマスターは彩と仲がいい。ナンパ男にすぐついていく彩を心配し悪いやつは近づけないようにもしてくれる。
「なにくん?なにさん?」
「はじめまして、大学生の広樹です〜宜しくお願いします」
綺麗な中性的な顔立ちをした少し高い声、でも肩幅は広くワイシャツから覗く鎖骨は男女問わずフェロモンを感じる。
「ひろきくん、よろしくね」
二杯目のキティは彼が作ってくれ「美味しいね」と笑顔で煽った。
「ちょっと彩さん、もう少し楽しんで飲んでくださいよ」
マスターがグラスにナッツの盛り合わせを置いてため息をつく。
広樹はとうに他の女性客に捕まっていた。
カランコロンとドアが開閉する音を背中で聴きながら彩はあと二杯、いや一杯にしておこうか…と悩んでいた。
すると隣に男性が座った。
「ご一緒しても?」
「もう座ってますよ?」
クスリと笑う彩にじゃあご馳走します。と男もはにかんだ。
三杯目が彩の前に置かれ、乾杯と2人はグラスを合わせた。