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愛しき俺の半身
第4章 迷惑な女の子



星桜が俺を見ながら変な顔をする。

少し赤い顔でモジモジとする星桜…。

杏果がその変化に気がついた。


「ごめん、星桜とお手洗いに行って来る。」


杏果が星桜を連れて女子トイレに向かった。


「本当に誰かがついて居ないと生きていけない子なんだな…。」


怜太が真面目な顔で考え込む。


「あぁ…。」


怜太に曖昧に答える。

トイレに行きたいと自分から言えない星桜…。

知らない場所ではトイレを自分で探す事も出来ない星桜…。

女子トイレの前で男2人が露骨に待つのはさすがに気が引けるからと少し離れた場所で杏果と星桜を待つ。


「えっ?星桜は?」


俺と怜太を見て杏果が青い顔をする。


「まだ来てない。」

「そんなはずないわ。トイレが凄く混んでて、だから先に星桜を入らせたの。私は星桜と入れ替わりで入ったからとっくに星桜はトイレを出ているわ。」

「クソッ…。」


ほんの数メートルという僅かな距離でも星桜は俺とはぐれてしまう。


「その辺を探してみて、ダメなら待ち合わせの場所に行こう。」


怜太が冷静に俺に言う。

頭ではわかっている。

だが、星桜が僅かでも俺から離れたという事実に冷静でいられない。


「杏果はここに、怜太は向こう側を見て来てくれ。俺はこっち側を探す。」


ゆっくりとしか移動が出来ない星桜だから少し探せば見つかる可能性は高い。

トイレの前で怜太と右左に別れた。

星桜…。

白いワンピースの小さな女の子だけを目を凝らして探す。


「いやぁーっ!」


甲高い悲鳴が上がる。

他の人の目も悲鳴が上がる方へと向く。

星桜!

悲鳴がした方へとすぐ様に走る。

15メートルもしない場所に人集りがある。



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