この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
愛しき俺の半身
第6章 幸せの頂点



「星桜と2人だけで暮らせる場所が欲しい。」


俺の願いはそれだけだった。

親父が大学の近くにマンションを買ってくれた。

俺と星桜が暮らしていたあの家は売ると言う。

今は星桜にとっても辛い場所だからとあの家が無くなる事には反対をする気にはならなかった。

離婚はスムーズに進み、俺は大学へと戻った。

新聞の片隅に俺達は不幸な子として載ってしまった。

当然のように大学じゃ誰も俺に近寄らない。

怜太だけが相変わらず…。

いや、怜太ですら


「俺に出来る事があるなら言えよ。」


そう言って俺をシスコンとは言わなくなった。


「別に、大丈夫だ。」


怜太にはそう言うしかなかった。

星桜はあれから精神病院に移された。

病院は大学に出来るだけ近い病院を選んだ。

毎日、学校が終われば星桜のところへと行く。

星桜が人形のようにベッドに寝かされている。

手足は革のベルトでベッドに固定をされている。


「外して貰えませんか?」


付き添いの看護師に聞いてみる。

俺達の母親くらいの年齢の女性。

男性は星桜がパニックになるから近寄れない。


「ごめんなさい。彼女が自分を傷つけようとするから外せないの…。」


その人は本当に悲しそうな顔で俺に言う。


「星桜…、ねぇ、星桜…。」


俺が話し掛けても星桜は虚ろな目をして俺を見ようともしなかった。

毎日毎日、時間がある限り星桜のところへと通い続ける。

1ヶ月が過ぎた時、やっと星桜が俺を見た。


「せい…や…。」

「星桜!俺がわかる?喉は乾いた?お茶を飲む?」


久しぶりの星桜の声に興奮をする。


「せい…や…、死に…たい…。」


それだけを言うと星桜が涙を流して目を閉じる。


「星桜!それだけは絶対にダメだ。それだけは絶対に許さない!」


何度も星桜にそれを言い聞かせる毎日が始まった。



/60ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ