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愛しき俺の半身
第6章 幸せの頂点



毎日、星桜のところへ行く。

誰もそれを邪魔はしなくなった。

大学が忙しいと5分しか面会時間がない。

それでも星桜の担当の看護師の人が


「10分だけ、見逃してあげるから…。」


とまで言って俺を星桜のそばに居させてくれる。

最近、落ち着いているからと星桜の拘束具を外すと夜中に星桜が悲鳴をあげて、また自分を傷つける。

そんな一進一退が続いたけれど日曜日などで俺が長く星桜のそばに居てやれると星桜が落ち着くという事が病院側も理解をしてくれるようになった。


「星桜…、今なら2人だけで暮らせるよ。」

「星耶とずっと居られるの?」

「俺は学校があるから…、だけど星桜はもうどこにも行かなくていいんだよ。」

「1人はいや!1人でお留守番はいやぁ!」

「星桜!大丈夫…、落ち着いて、星桜…。」


1人で留守番をすると、また怖い思いをすると星桜が怯えてしまう。

今はまだ星桜を連れて帰る事は出来ないまま、2年以上を俺は病院に通い続けた。

星桜は大学を自主退学の扱いになった。

親父は無事に離婚をして家を売り、その財産の全てを俺にくれる。


「星桜を頼む。」


海外に戻る前に俺にそう言う。


「言われなくとも…。」


もう会う事がほとんどないと感じる親父にそう言った。

生活費だけは星桜の為に続けてくれると約束をしてくれた親父だから、責める気にはならない。

俺が大学の4年になり、星桜に一時的な帰宅を認められた。

週末だけを俺と2人で過ごせる。

金曜日の夜は張り切って買い物をした。

星桜の下着、星桜のパジャマ、星桜が食べる物。

何度も買い物に行き星桜と24時間は離れずに済む為の用意をする。

土曜日の朝に星桜を迎えに行く。

日曜日の夕方には星桜を病院に戻さなければならないけれど、例え24時間だけでも星桜と2人きりになれるのだからと俺ははしゃいでいた。



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