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愛しき俺の半身
第6章 幸せの頂点

嬉しくて、星桜を抱きかかえるだけの時間を過ごす。
星桜の顔中にキスをして星桜の耳にもキスをする。
「ふふっ…、星耶…、くすぐったい!」
前と変わらない笑顔を見せる星桜が可愛かった。
病院からはちゃんとした食事を決まった時間に食べさせるように言われていたけれど、マイペースで食べられる食事が星桜には一番いい食事だ。
ピザを食べながら俺とキスをする星桜。
プリンも食べた。
俺が前の日から煮込んでいたシチューも食べる。
「もうお腹いっぱい…。」
星桜が笑う。
たくさん食べて笑うだけの生活を星桜に与えてやりたいと思う。
星桜が好きな本の続編が売っていたから、それも買ってある。
俺の膝の上で星桜がそれを大人しく読む。
前の家からは星桜の物は星桜のお気に入りのグラス以外は何も持って来なかった。
前の家の事は忘れて新しい生活だけを星桜に与えてやると決めた。
「星耶…。」
「風呂…、1人で入るか?」
「星耶と入る。」
本当は怖がっている。
だから怖がらせないように星桜と風呂に入る。
随分と痩せていた。
元々、小さかったのに肋の骨が透けて見えるほどに痩せている星桜に涙が出そうになる。
「もっと頑張ってご飯を食べような。」
「星耶…。」
星桜が俺に抱きついて来る。
ただキスだけを繰り返す。
焦りはしない。
星桜は絶対に俺のものだと感じるから…。
前のように俺なら大丈夫なんだという繋がりを星桜が求める日は必ず来る。
「星桜…、愛している。今も変わらない。」
「星耶…、愛している。ずっとこの先も。」
変わらない気持ちをお互いで抱きしめてその夜は眠った。

