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告白の向こう側
第1章 告白の向こう側
「はい、川上です」
仕事終わりのこの時間に、一体誰なんでしょうか。
「はい、お世話になっております。中川様」
“中川様”────私はどきっとしてしまいました。
実は先日、偶然にも中川家の娘様をお見かけして────
人形のような、可愛らしいお顔立ち
女性らしい、華奢な体つき
あまりに素敵な方だったので、私は見入ってしまいました。
あんなに魅力的な女性をお嫁さんにできるなんて、男だったら飛び上がるくらい嬉しいことなのに────
なのに何故────会った翌日あなたはあんなに浮かない顔をされたんですか?
どれほど────心の中にいる誰かに対する想いが、あなたは強いんですか?
それを想像しただけで、私は、たまらなく苦しくなる。