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告白の向こう側
第1章 告白の向こう側
「おはようございます、社長」
「……おはよう、雅」
ある日の朝────社長室に置かれているソファーに腰掛けていた社長は、とても暗い表情をしておりました。
「どうかされました?」
「……ちょっと、な」
もしかして────
〇〇商事の中川様との婚約のお話……うまくいかなかったのでしょうか?
確か会合は昨日の夜だったはず────
5分後────
「社長」
「……なんだ」
「よろしければ、これを」
私はホットココアを差し出した。
社長はこう見えて甘党男子なのです。
「……お前、だからさっき一旦離れるって」
「疲れたときには、甘いもので癒やされてください」
会社に簡易キッチンの設備はありますが、さすがの私でもホットココアの作り方は分からないので
急いで会社近くのコンビニで買ってきました。
「……有難く頂戴する」
「はい」
社長はグビグビと、一気に飲み干しました。