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再会 ∽∝∽初恋は実らず?∽∝∽
第4章 絶対安静
カタカタという音と真剣な眼差し、そしてたまに空を見てお話の状況を想像しているのかと思えば、登場人物に微笑みかけるような優しい表情に変わる。
そんな篠宮さんを見ているのが楽しくて、一気に惹かれていくのがわかる。
ずっと『しゅう』に固執していた私はもう居ない。
親を捨て、故郷を離れて東京に出てきた。
猛勉強して不向きな職について、毎日終電ギリギリまで働いて、探して、
でも、しゅうは見つからなかった。
しゅうに会って、あの時どんな思いで私達の街を離れたのか、私のことをどう思っていたのか、そして今どうしているのか…
一方的に思い詰めて苦しむ想い出は、もう過去のものなのだ。
今、生まれた雨粒ちゃんのように、私も、新しい人生を始めよう。
そう思いながら、キーボードを叩く音を子守唄にいつしか眠りに落ちていた。