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アゲマン!
第2章 追加される謎



「あの人に母さんの事を聞かなくっちゃ。」

「でも、どうやって探すの?」

「うーん…。」


結局はもう一週間、店を開けてみようという結論になってしまう。

沙那も美春も全くのお嬢様感覚だ。

夜の世界の本当の怖さを知らない2人は男の忠告を無視して、更に一週間をあの店で過ごすと決めてしまった。





「やっぱり、暇よね…。」


木曜日の夜に美春が愚痴を零す。


「だよね…。」


あの男が来る保証など何もないのに無鉄砲にも店を開け続けた事に2人が後悔をし始めた時だった。

2人の期待に答えるように店の扉が開いた。


「いらっしゃいませ…。」


前回の経験から美春も沙那も手早く散らかしたカウンターの上を片付けてカウンターの中へと滑り込む。

ダスターで拭いたカウンターの上にコースターや灰皿をセットしてからおしぼりの用意をする。

だが、沙那達の期待には少し外れた状況だと沙那達はすぐに気付く事になる。

何故なら店に入って来た男は前回とは違う男だからだ。

年の頃は20代半ばというところか?

高級そうなスーツにスッキリと刈り込まれた髪。

如何にも爽やかですと言わんばかりの笑顔の、これまた前回とは違う意味のイケメン男…。

前回をワイルド系とするならば今回は草食系と称するべきか?

美春のドストライクだったらしく、美春が沙那が用意をしたおしぼりをひったくり


「どうぞ…。」


と笑顔で男に差し出した。


「ありがとう…。」


間違いなく、前回の男よりもスマートな仕草でカウンター席へと座り優しげな笑みで沙那達を見ている。


「何にしますか?」

「ハイボールは出来る?」


一応、あれから沙那と美春はお酒の種類についてはネット知識ではあるがそれなりに学習をした。



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