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アゲマン!
第1章 始まった謎



「そうね…、てか、そろそろ帰ろうか?」


沙那と呼ばれた気丈な女は同じ年頃の女に笑顔を向けてそう言った。

気丈な顔をしている時は少し勝気な雰囲気で男に近寄り難い空気を匂わせる美人だったが、笑顔の彼女は年相応の可愛らしい女性に変化を見せる。

川中 沙那…。

今は短大の2年生という、まだ本当にうら若き20歳の女性だ。

彼女と同年代の女性は安藤 美春(みはる)。

沙那の幼なじみで親友に当たる人物。


「大丈夫かな?」


遺影をチラ見する美春が沙那に聞く。


「多分、大丈夫よ。お線香が消えたら別に帰ってもいいってこの葬儀場の人も言っていたし、母さんが死んだ事を知っている人はほとんど居ないから、もう誰も来ないわよ。」

「連絡とかしなかったの?」

「しようがなかったの。母さんの付き合いなんか全くわからなかったし、とりあえず、仕事先の宇崎先生にだけはかろうじて連絡を入れたって感じなの。」


宇崎先生とはさっきの初老の男である。

先生と呼ばれる理由は宇崎が弁護士だからだ。

沙那の母親も弁護士だった。

沙那に父親は居ない。

物心がつく頃には母親と2人だけという生活…。

母親は常に凛とした女性であり、その分近寄り難い雰囲気を出す女であった。

いつも、弁護士という職業柄からなのか、とにかく秘密主義である母親だった。

その為に沙那は生前の母親が付き合いをしていた人間関係を全く知らず、父親もわからないまま、1人でこの葬儀を喪主として出す羽目になる。

そもそも、母さんが悪いのよ…。

死んだ人間を沙那も悪くは言いたくはない。

しかしながら、沙那の母親という人は癌という病に侵されたにも関わらず、その事実すら一人娘である沙那に伏せて来たのだ。



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