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アゲマン!
第4章 答えが謎
「とにかく、お前の母親から聞いた話は全て教えてやる。ただし、この話はあくまでもお前の母親が言った話であって俺の頭がおかしいとか思うなよ。」
龍平はあくまでも沙那の母親の言葉だという前置きを沙那に念を押してから話を続けた。
沙那の母親の家系は神社の巫女の家系であるという部分から話は始まった。
理奈の家系で代々女性にだけ受け継がれるアゲマン…。
それは全ての女性にではなく、一部の女性にだけ受け継がれてしまう、ある種の能力。
理奈の家系はそれを巫女の力として利用をして来た。
「今も、その神社は存在をする。お前の母親の実家で、母親の姉がその神社を継いでいる。」
龍平の言葉が信じられなかった。
「母さんの身内がいるの?」
「ああ、もし行きたければ連れて行ってやる。ただしお前の母親曰く相当危険だから、かなりの覚悟をして行かないとやばいらしい。」
「やばいって身内でしょ?」
「向こうはそうは思っていない。能力を受け継いだのはお前の母親だけだった。なのに母親は家出をしたんだからな。」
家出をしただけで危険とか…。
母さんは病気で頭までおかしくなってたの?
沙那からすれば、そんな風にしか考える事が出来ない。
第一に、この龍平という男をそんな簡単に信用をすべきかと迷ってしまう。
しばらく沙那は考え込んでいた。
自分の体質の話はともかく、理奈の身内が居ると言うのであれば、会わない訳にはいかない。
「あのさぁ…。」
考え込む沙那が顔を上げた瞬間だった。
近い!?
沙那がそう思うほどに龍平の顔が沙那の目の前にあった。
しかも、ゆっくりとその龍平の顔が沙那の顔へと近付いて来る。