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アゲマン!
第4章 答えが謎
「多目的作業車で軍用にも使用をされているんだが日本じゃあまり一般的じゃないみたいだな。」
理奈の事はあまり語らなかった龍平だが、この車に関しては妙に饒舌になり説明をする。
確か、店でグラスの説明をしていた時もこんな感じだったな…。
沙那からすれば、この先に沙那に必要になるかもしれない知識を龍平が教えてくれている気分のまま、黙って龍平の車の説明を聞くだけだった。
30分もすれば沙那の家の前に車は到着をしていた。
つまりは龍平が沙那の家を初めから知っていて、それは理奈から聞いていたのだと沙那は理解をする。
「私のおばあちゃんは生きてるの?」
車を降りる事を躊躇うように沙那は龍平に質問を繰り返した。
「いや、生存が確認出来たのはお前の母親の姉、つまり叔母だけだ。後はその叔母にも娘がいる。」
沙那には従姉妹も存在をすると聞き、自分が完全な孤独ではないのだと安心をした。
「いつ、会いに行けるの?」
今は10月の終わり…。
「九州だからな。日帰りは厳しいから次の3連休までは無理だな。」
「学校なら…、ちょっとくらいは休めるわよ…。」
「学生は真面目に学校へ行け…。」
柔らかく突き放されるようにして沙那は車から降ろされた。
一応、龍平の携帯も聞いた。
「不審な奴が居たら連絡をしろ。」
龍平はそれだけを言うと元来た道を引き返した。
家に帰った沙那は1人で頭の中の整理をする。
理奈は巫女の家系…。
巫女の能力はアゲマン…。
その能力を沙那が受け継いでしまった。
能力の発動はあくまでも男性と性的行為を要し、沙那が感じないなど拒否をすれば問題はない。
問題は沙那が相手に感じてしまった時…。