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アゲマン!
第7章 また増えた謎
沙那が少しばかりは落ち着きを取り戻したのを確認すると沙那を連れて龍平は神社の境内を抜けた。
鳥居を潜りながら石で出来た階段を降りる間、リンとロブが龍平と何かを話すが、その会話は全て英語で話された為に沙那には全くわからない会話が続いた。
階段を降りた沙那は2台のウニモグを見て目を見開く。
確かに、沙那は龍平に救われた。
だが、この龍平が何者なのかという新たな謎がやはり沙那には生まれていた。
しばらく、駐在に監禁の事実の確認をされる事になり監禁の事実は沙那も訴えはしたが、あくまでも身内がした事であるからと被害届けは出さないと沙那は決めたのだった。
千恵をこれ以上は苦しめたくなかったからだ。
沙那の場合、理奈が家出をしていなければ、千恵の立場に沙那が居たかもしれないという気持ちが大きかった。
駐在が立ち去り、龍平が沙那を車に乗せる。
もう1台のウニモグにはリンとロブが乗り込み、龍平の車にヘッドライトでパッシングをすると、沙那達の向かう方向とは別の方角へと走り去った。
それからの2時間を龍平は黙ったまま車を走らせ続けた。
ここに来た時のファミレスで龍平は沙那に食事を取らせる。
「行きと同じで関西まではフェリーで帰る。」
そう言った龍平に
「早く帰りたい…。」
とだけ沙那は答えた。
本当は龍平が何者なのかを沙那も問い質したいのは山々だ。
今はあまりの恐怖の1夜の後であり、疲れきった沙那には、そんな余裕はない状況だった。
大阪までのフェリーは前回と同じ夜間便。
まだ昼だからとフェリー乗り場の駐車場で龍平に抱えられるようにして沙那は少し眠った。
夕べは龍平も眠っていないと言う龍平も沙那を抱えたまま眠った。
今夜はゆっくりと乗船が出来た。
客室は前回とは違いツインベッドの部屋…。