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アゲマン!
第9章 寂しい謎
沙那の態度に真希が顔を歪める。
「自分の事を多少は理解をしたんだね?」
「ええ、お陰様で…。」
「なら、あの店を閉めても僕のような男が何人か現れる覚悟も出来てるんだ?」
そういう言い方をされると沙那も少し迷ってしまう。
龍平はボディーガードだとは言った。
それは永遠に沙那のボディーガードであるという訳ではない。
母、理奈が一体どの程度の支払いをして、いつまでの契約をしたのかすら沙那にはわからない。
龍平とはもう3週間も連絡が取れていない。
もしかすると既に契約が切れている可能性もある。
「僕なら…、君を守る自信がある。君には誠意として結婚を前提にした付き合いでもいいと思っている。」
真希は一方に話を進めようとする。
「そもそも、私に会いに来るという人達はとんでもない勘違いをしているって可能性がありますよ?勝手に巫女の力とか言ってますけれど、それは本当はただの思い込みで自分の力で実力を発揮しただけの可能性もありますから…。」
沙那は龍平には目に見えるラッキーが起こらなかったという事実を考える。
「それは、ないね…。」
真希の目付きが変わる。
「何故…?」
「人の努力や能力には限界というものがある。例えば、宝くじなんかで1夜にして大富豪になる人が稀に居る。しかし、そんなラッキーは1代かぎりのラッキーだ。末代までのラッキーとなるには、それだけの人の限界を超える力が必要になる。」
「貴方の一族はそのラッキーをもう既に手に入れたのでしょ?なら、男である以上は後は自分の実力で継続をさせるべきだわ。」
こういう可愛げのない言い方を真希にはするべきではなかった。
ガッと沙那の手首が折れそうなほど力強く真希に握られた。
「僕は確実な力が欲しいんだよ。そして、僕と同じ考えの奴が山ほど居る以上、君を守ってやるという条件を付けているのに、何が不満なんだ?」
真希は沙那に馬鹿にされたとばかりに怒りを沙那に剥き出しにした。