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「ネガティブ」のバイブル
第1章 エビマヨパン
「でさぁ~!そのあとのヤツでさぁ」
俺は友人たちと喋りながら、高校への道を歩いていた。校門まであとわずか。今思えば、ここで話を終えていたらこの悲劇は始まらなかったのかもしれない。
「『女性100人に聞いた!カッコイイ名前ランキング』ってコーナーあったじゃん?」
俺が言うと、隣で歩く友人二人が相づちを打つ。一位はあれだった、二位はこれだった、と三人で盛り上がる。
「“ショウ”も結構人気だったよな」
そう言った友人は直後、あっ、と小さく声をもらした。が、それに気づかないまま、俺は微妙な反応を返す。
「“飛翔”の“翔”な。俺はあんまりだな~」
「…おい」
もう一人の友人が、少し声を落として止めようとするが、それもあまり気にとめずに続ける。
「だってさ~、漢字難しいじゃん。それに、どうせ同じ字を使うなら、“カケル”の方が」
「やめとけって!」
友人が遮るように言った。ちょうどそこは校門の前だった。なぜそこまで強く止めるのか、一瞬わからずキョトンとしていたが、ようやく思い出す。
「ああ…そういえば、クラスにいたか。その名前。なんだっけ…えっと…」
俺は友人たちと喋りながら、高校への道を歩いていた。校門まであとわずか。今思えば、ここで話を終えていたらこの悲劇は始まらなかったのかもしれない。
「『女性100人に聞いた!カッコイイ名前ランキング』ってコーナーあったじゃん?」
俺が言うと、隣で歩く友人二人が相づちを打つ。一位はあれだった、二位はこれだった、と三人で盛り上がる。
「“ショウ”も結構人気だったよな」
そう言った友人は直後、あっ、と小さく声をもらした。が、それに気づかないまま、俺は微妙な反応を返す。
「“飛翔”の“翔”な。俺はあんまりだな~」
「…おい」
もう一人の友人が、少し声を落として止めようとするが、それもあまり気にとめずに続ける。
「だってさ~、漢字難しいじゃん。それに、どうせ同じ字を使うなら、“カケル”の方が」
「やめとけって!」
友人が遮るように言った。ちょうどそこは校門の前だった。なぜそこまで強く止めるのか、一瞬わからずキョトンとしていたが、ようやく思い出す。
「ああ…そういえば、クラスにいたか。その名前。なんだっけ…えっと…」