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「ネガティブ」のバイブル
第4章 不幸の眼鏡
「で、お前は何しに来た?ヤリにか?」
天原が俺を見る。
「これ…返しに来た」
俺は掛けていた眼鏡をはずし、天原に差し出す。
「ああ…そろそろ返してもらってもいいかもな」
天原はそう言い、受け取った。
“そろそろ”?
「どういう意味だ…?」
俺が素直に尋ねると、ああ、と天原が言った。
「話してやってもいいが、今日は忙しい。また今度だ」
言い、天原は俺を背にする。
「ちょっと待っ…」
「キミ、名前は?」
言葉を遮り、さっきの女子が俺に尋ねた。
「あ…市野、だよ。天原と同じクラスの」
「ああ、キミが。彼からちょっと聞いてる」
「あなたは?」
「あー、アタシは…まぁあなたより先輩、とだけ教えておいてあげるわ」
「先輩だったんですね。タメ口すいません」
「ま、いいわよ。じゃあね」
さっきまでの愛想はいずこ、女子は冷ややかな目を向け、そのまま準備室へ入っていった。
因みに、社会の窓が半分開きっぱなしだということに俺が気づいたのは、家に帰り着替えようとした時だった。
天原が俺を見る。
「これ…返しに来た」
俺は掛けていた眼鏡をはずし、天原に差し出す。
「ああ…そろそろ返してもらってもいいかもな」
天原はそう言い、受け取った。
“そろそろ”?
「どういう意味だ…?」
俺が素直に尋ねると、ああ、と天原が言った。
「話してやってもいいが、今日は忙しい。また今度だ」
言い、天原は俺を背にする。
「ちょっと待っ…」
「キミ、名前は?」
言葉を遮り、さっきの女子が俺に尋ねた。
「あ…市野、だよ。天原と同じクラスの」
「ああ、キミが。彼からちょっと聞いてる」
「あなたは?」
「あー、アタシは…まぁあなたより先輩、とだけ教えておいてあげるわ」
「先輩だったんですね。タメ口すいません」
「ま、いいわよ。じゃあね」
さっきまでの愛想はいずこ、女子は冷ややかな目を向け、そのまま準備室へ入っていった。
因みに、社会の窓が半分開きっぱなしだということに俺が気づいたのは、家に帰り着替えようとした時だった。