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「ネガティブ」のバイブル
第5章 天使が舞い降りました
50×80センチほどの綺麗な白。まるで四角く切り取ったように、そこだけが周りからくっきりと浮いていた。
「…さて」
真っ白な厚手の木地を目の前に、俺はため息混じりに言う。
どうしようか、という目を向けると、斜め横に座る黒川さんも、苦笑を浮かべた。学級旗製作のための居残りは、今日で何日目だろう。
他のクラスではもう下書きを終えて色を入れ始めている頃だ。一方、我がクラスは…下書きさえ済んでいない、まっさらな状態。さすがに焦りを感じ始めた俺たちだった。
「取り敢えず、俺が今まで撮った写真を持ってきたけど…参考になりそう?」
膝立ちになりながら、数十枚にも及ぶ写真を学級旗の上に広げていく。
「うーん…どうかな」
並べられた様々な写真を眺めながら、困ったように笑った。
「ダメか…ごめんね、役に立てなくて」
「うっ、ううん!あたしこそ、ごめんね。…あっ、これなんかいいかもっ?」
「ほんと!?」
「あ…でも絵にするのはちょっと難しいかも」
「そっか…」
はああ、とため息をつき、だらりとうなだれた。
「…さて」
真っ白な厚手の木地を目の前に、俺はため息混じりに言う。
どうしようか、という目を向けると、斜め横に座る黒川さんも、苦笑を浮かべた。学級旗製作のための居残りは、今日で何日目だろう。
他のクラスではもう下書きを終えて色を入れ始めている頃だ。一方、我がクラスは…下書きさえ済んでいない、まっさらな状態。さすがに焦りを感じ始めた俺たちだった。
「取り敢えず、俺が今まで撮った写真を持ってきたけど…参考になりそう?」
膝立ちになりながら、数十枚にも及ぶ写真を学級旗の上に広げていく。
「うーん…どうかな」
並べられた様々な写真を眺めながら、困ったように笑った。
「ダメか…ごめんね、役に立てなくて」
「うっ、ううん!あたしこそ、ごめんね。…あっ、これなんかいいかもっ?」
「ほんと!?」
「あ…でも絵にするのはちょっと難しいかも」
「そっか…」
はああ、とため息をつき、だらりとうなだれた。