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夢…獏の喰わぬ夢
第7章 現在
僕達は、公園を本当に隅々まで探検した。
大きな池があり、他に花壇に囲まれた噴水もあった。
花壇には春の花が沢山咲いていた。
「蝶になった時、やっぱり人間がいいなって、思わなかったの?」
花の上をヒラヒラ舞う蝶をみて、僕はふと彼女に訊いた。
「人間にはもう、なってるんだもん。その時は蝶を楽しまなきゃ!
蝶には簡単になれないのよ。
あんな風にヒラヒラ舞うって意外に難しかったわ。」
「へぇ、楽しんでヒラヒラしてると思ってたよ。
僕は人間以外のものになる夢なんて見たことあるかな〜?」
「なんにでもなれるわよ」
「願って蝶になるの?」
「それはないわ。でも、蝶になっていて、
蝶が戯れる花を羨ましくなり、
なりたいと願ったら花になってることはあるわよ。」
なんとも不思議な感性だ。