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夢…獏の喰わぬ夢
第8章 変化
彼女の手がぎゅっと僕の手を握る。本当によく僕の心がわかっている。
僕も気にすることはないと、握り返して教室に向かう。
そこから先はいつもの通り、
僕が隣で退屈だろうがお構いなしで、彼女は夢の世界にいってしまった。
僕はバイト代の計算をしていた。
平日だけ、何かあって休んだとしても、軽く5万円は超える。
プレゼント、デート、余裕で賄えるだろう。
彼女は喜んでくれるだろうか。
彼女との時間を潰さなければ、怒りはしないだろう。
その前に、デートって?
彼女が好きな事、夢を見る以外に喜ぶこと、喜ぶプレゼントって何だろう。
それとなく聞き出せるだろうか。
僕には考えなければならないことが沢山あって、講義など聞いている余裕はなかった。
ランチタイムになる、彼女が帰還し話しだす。
「最初に行った公園に行ってみない?少しは景色が変わったかしら。」
「いいね。いってみよう。」
そう、最初謎だらけの彼女に不安を覚えながら行ったきりだった。
ほとんど景色なんて覚えていない。
景色が変わるほど日は経っていなかったが、行ってみたくなった。