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夢…獏の喰わぬ夢
第8章 変化
なんとなく二人とも足早になった。今日のお弁当は二色ご飯だった。
「あのさ、弁当の材料費ってかかるよね。二人分になって、」
「そうでもないわよ。一人分って意外に無駄なの、もし必要なら言うわ。
大丈夫よ。大事なお人形さんに沢山仕送りしてくれるパパママがいるし。」
「ごめん、つまらないことを聞いたね。
でも、料理好きなんだね。いい奥さんになるんだろうね。」
「なるんだろうね。って誰かのって感じ?」
「あっ、ごめん。それは僕の…って言いたいけどね。
僕は働いて生活していけるのかな。」
「また真剣になりすぎる。
私だってまだわからないわ。今は学生をエンジョイしている。
今、あなたと一緒にいたいの…」
彼女はキスしてきた。柔らかい唇…。
キャンパスの近くということもあってドキドキしてしまう。
「このままどこかいきたくならないうちに戻らないとね。」
彼女が言う。
「そうだね。とりあえず今、学生だから。」
彼女が笑う。二人で空を見上げた。