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夢…獏の喰わぬ夢
第8章 変化
「帰らなくても何も言わないと思うな。
君がいるなら、ここにいたい。いいかな?」
「もちろん。夏休み待ち遠しいわね。」
学校が無ければ、彼女と好きなだけ一緒にいられる。
僕はそれが何より嬉しかった。
週末の予定も決まって、彼女が行きたい美術館と山登りの計画の為に図書館に行くことになった。
喫茶店は本当にいい店だった。
落ち着いて話せるし、長居しても追い立てることもなかった。
僕達は暗くなり始めるまでそこにいた。
彼女を家まで送ろうと思ったが、
「まだ遅くないから大丈夫。」
と断られてしまった。
別に家に上がり込もうとは思ってないのだが、何か彼女との隔たりを感じた。
彼女には僕に知られたくない秘密がありそうだった。
しかし、無理強いすることでないし、少しずつ彼女のことを理解していこう。
そんな風に自分に言い聞かせた。
駅を出て、いつもの習慣でコンビニに立ち寄った。
着いてから、奥さんが寄るように言っていたのを思い出した。
店は若い女性が担当していた。
声を掛け新しくバイトに入った者だと挨拶すると、
奥さんが待っていたことを告げられた。