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夢…獏の喰わぬ夢
第2章 獏
そして、僕は、今日のランチを一緒に過ごす約束をしていないことに気付いた。
おまけに、朝バタバタして、財布の中身すらわからない、逃げられないうちに約束しなければと焦り始めたら、終了の鐘が鳴った。
彼女は、それを目覚まし代わりにして起き上がる。
なんて切り出そうか。
「今日も用意してしまったから、お口に合わなかったって言われたらどうしようかと思ってたの。どこで食べる?」
言い訳がましい台詞を用意していた僕は、
「ありがとう、今日も美味しいご馳走にあずかれるなんて思ってなかったよ。」
と正直な言葉だけ返せばよかった。
全てお見通しの彼女にドキッとしたり、助けられたり謎は多くても不快ではなかった。