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夢…獏の喰わぬ夢
第2章 獏
(空想の生き物だろう?実物はアリクイと変わらないじゃないか。)
口に出したらフロイトの時のように、失敗してしまう。
「難しいね。僕が君に夢のこと語るのは無理だと思うな。」
「地域によって、悪夢を食べてくれたり、夢を奪う悪者にされたりしてるけど、人が勝手に作ったのよ。」
彼女は僕の反応を待たずに続ける。
「悪夢で目覚めれば、夢を食べて欲しいと願うし、続きが見たいのに目覚めてしまうと奪われたと思う。勝手よね。
でもね。夢を自在にコントロール出来れば……」
「出来るの?」
遮ってはいけない間だったのだろうが僕は待ちきれなかった。
「フロイトの様に、比較して分析してるだけじゃダメね。頭の中で見ているものなんて考えてる内は無理よ。
夢の世界は実在する空間なんだから。」
「昨日、今日で興味を持った僕なんかじゃ、到底無理ってこと?」
「時間や経験じゃないんだけどね。固定観念に捕らわれない自由を持っていれば、あなたにも簡単よ。」
今日は彼女の方が時計を見た。